生理痛と鎮痛剤
生理痛を起こす原因には、まず「プロスタグランジン」の影響が考えられます。プロスタグランジンとは、生理中に分泌される物質で、子宮の収縮を促進する作用があります。
プロスタグランジンは、約70年前に発見されました。そして、さまざまな研究によって、体に痛みを起こす原因となっていることも判明され、プロスタグランジンと生理痛が、深く関連していることがわかったのです。
また、プロスタグランジンが分泌される段階で、「シクロオキシゲナーゼ」という酵素が働きかけることがわかっており、シクロオキシゲナーゼは、プロスタグランジンを出すのに、深い関わりをもっています。つまり、シクロオキシゲナーゼが働きかけなければ、ひどい生理痛を起こすことがないと言えるのです。
それを利用しているのが、生理痛を緩和させる「鎮痛剤」なのです。鎮痛剤は、シクロオキシナーゼが作用しないようにしているのです。商品名としては、「セデス」、「バファリン」、「ノーシン」、「イブ」などがあります。これらの鎮痛剤の効き目はほとんど同じで、プロスタグランジンを生成させる作用のある、シクロオキシナーゼを妨げることに共通しています。
鎮痛剤を利用して、ひどい生理痛の症状を緩和させている人も少なくないと思います。鎮痛剤を服用する際に、気をつけなければならないことは、痛みが出る前に服用することです。生理痛の痛みが現れるのは、少し経ってからですが、シクロオキシナーゼの作用は、生理が始まると同時に始まっています。そのため、生理が始まってから、痛みが実際に出てくるまでに、鎮痛剤を服用するようにしましょう。痛みが出てきてからでは遅いので、効き目が十分に現れないでしょう。また、服用してからは、できるだけ安静に過ごしましょう。